事業承継でストレスを感じている方へ。
家族経営の中で、
「なぜこんなにしんどいのか」と感じることはないでしょうか。
結論から言うと、
家族経営の事業を継承する立場で感じるストレスは、
個人の能力や性格の問題ではなく、
置かれている“構造”から生まれていることが多いと感じています。
私自身、長い間
「自分の判断が甘いからだ」
「もっと器用にやれれば楽になるはずだ」
事が上手くいかない度そう考えていました。
ですが、振り返ってみると、
いくら努力しても楽にならなかった理由は、
自分の中ではなく、”立場そのもの”にあったように思います。
家族経営の継承者が置かれる独特な構造
家族経営の事業継承者は、少し特殊な位置に立たされます。
-会社の中では「家族」-
-会社の外では「経営側」-
-先代と比べられる存在-
-まだ実権をすべて持っているわけでもない-
等々…..
これらが同時に存在する状態です。
つまり、立場が一つではなく、常に重なっている。
どれか一つだけなら対処できても、
重なった状態が続くと、
判断や感情の整理が難しくなります。
「正解を選んでいるのに苦しい」理由
継承者のストレスが厄介なのは、
間違った選択をしているわけではない
という点です。
-無難な判断をしている-
-波風を立てないよう配慮している-
-会社を守る方向で考えている-
それでも、なぜか苦しい。
これは、
「判断の内容」ではなく、
判断を背負う”構造”に負荷がかかっているからだと思います。
決断の一つひとつに、
・家族の感情
・取引先の評価
・将来への責任
が同時に乗ってくる。
この状態が続けば、
疲れない方がおかしいのです。
事業承継のストレスが生まれる構造とは
事業承継のストレスは、
単純な業務量だけで生まれるものではありません。
家族・経営・人間関係・責任といった複数の役割が重なり、
一つの判断に対して様々な配慮が必要になる構造があります。
その積み重ねが、
精神的な負荷を大きくしていく原因になると感じています。
家族経営でストレスが強まる理由
肉親ゆえに感情が絡む。それだけに正論が”正解”になりにくいことがある。
たとえそれが社会的・理屈的に正しく筋道がとおっていても、そこに肉親としての”理解してほしい”思いが乗ることで、
意見がまとまらないことに尚更ストレスを募らせ、正解を選ぶことの障害になる。
こんなことが判断の度に付きまとっていました。
家族経営では、
仕事上の判断と感情的な関係性を完全に分けることが難しい場面があります。
本来であれば合理的に決められることでも、
立場や空気、過去の経緯などを考慮し続ける必要があるため、
常に思考が止まりにくい状態になりやすいと感じています。
能力の問題にすり替わりやすい理由
こうした構造のストレスは、
とても気づきにくい特徴があります。
なぜなら、
・周囲からは上手くやっているように見える
・大きなトラブルが起きていない
・自分より大変そうな人もいる
こうした要素が、
「自分が弱いだけではないか」
という思考に向かわせます。
結果として、
構造の問題が、自己評価の問題にすり替わる。
ここで多くの人が、
さらに自分を追い込んでしまいます。
構造に気づくだけで、少し楽になる
大きな改革をしなくても、
まずできることがあります。
それは、
「これは自分の能力の問題ではないかもしれない」
と一度立ち止まることです。
私自身、
この視点を持てただけで、
・無理に答えを急がなくなった
・判断の重さを言語化できるようになった
・自分を責め続ける時間が減った
という変化がありました。
状況はすぐには変わらなくても、
考え方の負担は確実に軽くなります。
次に必要なのは「切り分け」
構造の存在に気づいた次の段階は、
ストレスを一括りにしないことです。
・家族由来の感情なのか
・経営判断の責任なのか
・取引先との立場の問題なのか
・自分の思考の癖なのか
これらを切り分けないまま抱えると、
必要以上に重く感じてしまいます。
▶ 次の記事では、
事業継承者のストレスをどう切り分けて考えてきたか(※次記事)
について、具体的に整理してみます。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
事業承継のストレスは、
能力や性格の問題ではなく、
構造によって生まれるものです。
もし今しんどさを感じているのであれば、
それはあなたの問題ではなく、
環境によるものかもしれません。
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